零霊散の備忘録

平成生まれの30代。最近は競馬ばっかり書いてることに気付いた。

『天気の子』観てきました。安定の映像美。

新海誠監督最新作『天気の子』を観に行ってきた

 

新海監督作品とは『秒速』からの付き合いなのでね

 

 

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ネタバレと感想と

小説の方は現在進行形で読書中なので相違点や描写についてはやや割愛。冒頭部分が少~し違う程度で、ざっと通しで見た感じでは同じ。僕はどちらかというと文面から入りたいタイプだからアニメやドラマも原作小説やマンガから入るようにしている。こういう映画に関しては公開日と同時に発売されることが多いものだから、映画に行くタイミング次第でどうしても前後してしまう。僕個人の勝手なスタイル

 

ぶっ飛んだ設定のラノベ、アニメを見慣れている僕からすれば、本編よりその後の方を期待してしまうような内容だった。主人公とヒロインが結ばれた先のじゃなくて、水没した関東、東京を舞台とする物語

 

電車通勤・通学ではなく、小型船を使う。なんなら水上バイク通学とかもあり得そうな世界から、回想として始まってくれれば「あー、なるほど。こういう経緯でね…」と納得しながら鑑賞できた。七冊以上続く小説の、回想として始まる…物語シリーズで言う傷物語的な?阿良々木君がどういう経緯で吸血鬼になったのか、な感じのやつ

 

というのも、一作で完結というのが味気ない。「え?これデザートついて無いの?」と思いたくなる内容だった。しかしかといって、二次創作面でアレコレしようと思わないのは、これで完結してるんだよな、と思うしかない。少年少女のラブロマンス?に一切合切ドキドキできなくなったアラサーの身としては、それこそ都市伝説関連の取材に行って記事にしている方が合っている感じがする。うん、生ビールは美味い

 

家出してネカフェ生活ってのが現代的なのかな?よく分かんないけど?

拳銃のニュースから拾うパターンは読めてたものの、「撃つな、撃つな…」と思っていながら、「それしか撃退方法が無かったのかよ」と、ああ、僕も大人目線だよなと思ったり…。ベレッタじゃないよな、トカレフか?とか考えてしまうのもある種の職業病

あそこで撃たなきゃ始まらないよね、とか思う自分も居るのが嫌なところ

 

都市伝説の話から、晴れ女の流れになって、晴れ女の能力を生かした稼ぎ方を考案し、晴れ女の末路を描くという、見る人見れば明らかに伏線なんだけれど、その散らし方と組み立て方が、「ああ、なるほど、ここでね。」と、そこに感動する。新宿のマクドナルドは御苑の帰りによく寄った。金のある社会人はビジホ使うけど、あそこはどうもTwitterでラブホ疑惑が浮上している…。小学生連れで入れるもんなのか?舞台設定では西暦違うけど、その歌古くない?とか思ったり思わなかったり

 

話のテンポや構成に関してはうんうん、と思えるところがあったけど、一方で小中高生の夏の大冒険的なところと、ラブコメチックな青春群像には終始沈黙。童貞臭強かった『君の名は。』よりボリュームは抑えたものの、どうにも焦れったい感じが。まあ、そういうところも含めて自分がもうオッサンになってしまったんだよな、と思うしかないところでもあるし、その辺に関しては須賀さんが代弁してくれた感が強い

人間歳取るとさあ。大事なものの順番を、入れ替えられなくなるんだよな

 

 

 

映像美

新海誠監督安定の映像美。4K8K画質。当然ブルーレイ案件ですよ

とはいっても、4K8Kだったらそれ相応のTVが必要になるわけで、そんなTVがあるんだったらホームシアター作るくらいしたくなるし、スピーカーだとか防音設備だとか、もう金が幾らあっても足りない

だから映画館行くしかないんだよね、新海誠監督作品は

 

「天気の子」故に夏の空、雲!!

水の描写も良い!

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描くのも撮るのも大変なんだよね…

グラデーションやらなんやら、F値に露出に…

 

キャラについて

ツインテール・ノースリーブパーカー女子で腋フェチ感強いメインヒロインよりも、注目すべきはセクシーダイナマイトお姉さんの夏美さんでしょ。お姉さんと言いながらも僕より年下なわけですが、漢(ヲトコ)の憧れを託されたキャラで、男性スタッフが中心に描いているとのこと(パンフ談)

 

就活で荒れた感じが、分かるなぁ…

 

見た目のキャラが強すぎるのがリーゼント梶(中のヒト)刑事

見た目だけで残念とも言える…。見た目だけで特別突出した何かが無いし、逆に平泉刑事さんの方が味があるのは何でだ?声が与える印象って強ぇなあ…

 

キャラも中の人もどっちも最高だったのは須賀さん。愛すべきザ・オッサン

スポンサー色強めなのかは知らないけど、中の人がCMやってるバーボンウイスキー飲みながらアレコレ考えて反省するシーンが好き。もしかしたら亡くした奥さんが先代の晴れ女で、詳しい事情は知らないままだったんじゃないか、とか思ったり。そういう語られてない裏設定やら可能性を多く秘めているからこその魅力?

何も考えないで見てたら、ただのだらしないオッサンなんだけど。主人公、ヒロインが1位2位を独占しているレースなのだとしたら、僕は後半で後方から追い上げてくる人に注目する

 

 

総評っぽいもの

晴れ女の末路として人柱となる運命を変えた代償が東京水没。世界を狂わせたハッピーエンドはあっていいんじゃない?マンガ的、ラノベ的、中二的思考からすれば全然オッケーだし、現実世界で起こったとしても特に何も思わない。世界を救うだ何だ、って言うよりは、ヒロインを助けるという明確な思考の方が個人的には好き。だからと言って世界を敵に回すわけでもないという、ちょっと微妙な感じは残る。セカイ系

 

最後の最後で苦言、というレベルではないけど、何と言うか…

君の名は。」人気に肖っているのか、例の2人をあからさまに登場させるのは、どうにも釈然としない何かが残った感じが強かった。それも結局は『秒速』の悲恋っぽい感じと『言の葉』のしんみりとした感じが好きだった側としては、大衆ウケに行ってしまって、小さな和定食屋にもタピオカドリンク出てきたような、染まっちゃったな~という個人的な残念さから来るもの。あくまで個人的な残念さであって、好きな人からすれば嬉しいことだし、悪いことではないんだと思うんだけど…。なんだけど!

 

僕みたいな陰キャは、BBQしたりランド行っても疲労ばかりで、特別楽しいという感じが無い。羨ましいとすら思わない。ただそれを笑われるのは嫌だし、人生損してるなんて言われるのもどうかと思う。だけどまあ、見方次第では、僕がディスっているようにも映ってしまうんだろう。そういう解釈の壁に押し潰されそうになる。嫌いなわけじゃないんだけど、自分には合わなかった。ただそれだけ。わざわざ僕にウケるような作品にする必要は無いしね

 

それはそれとして、僕なりに『天気の子』は大絶賛してるつもりなんだけど、どう解釈されたことやら 

話題とか流行に乗れなくなったのは年取った証拠ですね