零霊散の備忘録

平成生まれの30代。最近は競馬ばっかり書いてることに気付いた。

「空の青さを知る人よ」観に行ってきた

※空の青さを知る人よ、映画・小説感想、ネタバレ注意

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「あの花」から続く、秩父聖地作品、3作目

秩父は僕の故郷です

 

小説読んで、映画観て、いろいろと考えること1週間、2週間と経過…。今作は、平成生まれのアラサー(僕)に刺さるものがあった。その上で聖地の秩父出身だと、効果2倍3倍…(苦笑)

 

 

大雑把なあらすじ

姉と2人暮らしの女子高校生が主人公。田舎の閉塞感と、進路を決めなければならない微妙な時期に、ベース弾いて音楽だけで生きたいと思う気持ちと、亡くした両親に代わって面倒を見てくれた姉を思う気持ちに揺れる。そんな時、音楽を始めたキッカケだった姉の元カレを思い出す。その元カレが演歌歌手のお抱えバックバンドの一員として帰郷。時同じくして、高校時代の姿のままの元カレがベースの練習場にしていたお堂に現れる…

 

 

 

視点

主人公である高校生目線で見るか、それとも現実を知った中年目線で見るかで感想は大きく変わる作品なんだと思う。年齢的に僕はどうしても後者

 

「あの花」のめんまが幽霊だったのに対して今作は生き霊という設定。幽霊と違って実質同じ人物が2人存在するというのが面白いポイントでもあり、同一人物だからこその違いを見る分複雑にもなってくる。原作Fateを知っていれば、話の重さをある程度察せると思うが、あっちは主人公設定だったのに対して、こっちは主人公ではないというのもまた今作の魅力でありながら、先の読めない話の複雑さもあると言える…と思う

 

けど、そう複雑でもないのかもしれない。僕自身が無駄に構えて難しく解釈してるだけに過ぎないのかもしれない。設定だけ見れば、生き霊が登場するだけのシンプルなものだ

 

構えてしまうのはアラサー故の、「若さ故の過ち」と向き合う怖さが先立つからだと思う。その辺は共感性羞恥に近い

 

聖杯戦争だとかで未来の自分相手にバトルするならまだしも、より現実的に理想と現実を突き付けてくると、アラサーには大ダメージだし、事あるごとにSANチェック

 

プロのミュージシャン目指して上京した人が、演歌歌手のバックバンド一員になって帰郷。そこに上京前の自分の生き霊登場ってなると、もうゾワッてなる

 

夢だとか理想だとかって言うのを無しにしても、元カノに対する未練だとか、高校生、大学生とはまた違う恋愛の難しさという部分も、また刺さるものがある。僕にはグサグサ刺さってる…

 

━━━で、だ。そんな生き霊こと、昔の自分に憧れて音楽やってる主人公が居て、姉と元カレ元カノの関係。自分が重荷になってしまったから、2人が一緒にいられなくなったかもしれないと思う気持ちと、憧れという形で隠れていた恋心に気付いて葛藤が始まる…。こっちの方が物語の主軸なんだろうけどね。どうしても、アラサー目線になってしまうのよな…

 

高校生目線で見たとしたら失恋

そりゃ、相手生き霊ですし?

 

アラサー目線で見れば違う形での成就

バックバンドでも、まあ良いじゃない?

 

思い留めていたこれまでの気持ちに結論を出す

 

小説と映画で微妙に違うところあるんだけど、終わり方としてはそんなカンジ

 

 

総評っぽいもの

 

甘さ★☆☆☆☆

苦さ★★★★★

香り★★★★☆

酸味★★★☆☆

 

要するにオトナの味(なんだそりゃ)

 

「あの花」の超平和バスターズが10代の少年少女の集まりだったのに対して、今作は30代(バツイチ子持ち含む)となると、そりゃコクが出ますよね。ブドウジュースと言うより、少しワインっぽいような

ピートの効いたスコッチのような

スモークチーズっぽい深み

 

同窓会でビール、って感じとは違う

ただ酔いたいってだけでストロングなチューハイって感じでもない

 

感傷に浸りながら、

静かにウイスキーをロックで

 

酒が合います!

酒が進みます!(笑)

 

のどごしスッキリ爽やかな青春じゃなくて、じっくり浸れる作品。僕はウェイしないで静かに楽しんでいるくらいが合ってるのかもしれない

己の青さを知る人よ

 

12月3日は秩父夜祭

また関連イベントもやるのかな?

ユネスコ無形文化遺産に登録されたので興味がある人は是非