零霊散の備忘録

平成生まれの30代。最近は競馬ばっかり書いてることに気付いた。

来たのか“本格化”

※2022年競馬、感想記録と成績

前回までのあらすじ

冴えない男:梦神零時はビッグカフナバーガーで昼食を済ませたのち、ブラブラとコーヒーを求めコンビニへ。飲み会自粛の流れで吸うタイミングを逸して早くも3年が経過したレジ奥の煙草を見る度に「これは禁煙ではなく、あくまで自粛」と言い聞かせるも値上げしている現実が痛く、代替というわけではないが喫煙所から漂う副流煙を深呼吸。帰宅してポストを見ると古い友人から喪中ハガキが。何でも奥さんを亡くしただけでなく飼い犬が殺され愛車も盗まれたとのこと。心理学では復讐で心は晴れない、と聞くがそんなことはお構いなしで急遽“お手伝い”参戦。送り込まれた刺客を返り討ちにしつつ因縁のクソったれをショットガンで溶鉱炉に突き落として無事終了。一仕事終えた夜の酒は親友のバレーボール:ウィルソンと共にジン3:ウォッカ1:ドライベルモット1/2をステアでなくシェイクで作るカクテル。ポーカーも良いけど最近の流行りは“NUFF SAID”というドミノを使ったゲームらしい。ゲームは好きでもカジノのディーラーは向いて無いので次の仕事は夜の博物館警備に決めたのだった。

 

本題

2022年ベストレース、ウマデミー賞は【166回天皇賞(秋)】に決定
超絶的な逃げパンサラッサ
虹色輝く末脚イクイノックス
笑い、驚き、恐怖、愉快、痛快、そして涙と、見た人の世代や思い入れが交差する大スペクタクルレース。約2分のレースだけどオレの体感では2時間超の映画。だからのウマデミー賞っていうオレの中では異例の扱い。エモーションメーター振り切ってしまった。

 

スタート直後の最初の先行争いから異様な空気だった。パンサラッサ宣言通りの逃げに外枠ノースブリッジが仕掛けるという展開。向正面に入ってからグングンとリードを広げるパンサラッサに場内からどよめきの声。普段はあまり気にしない1000m通過タイム57.4が表示されるとスタンドから動揺混じる歓声が響いた。気付けば先頭パンサラッサは10馬身以上の差をつけて馬群は縦長、合わせるようにテレビ中継画面も横いっぱいでパンサラッサだけがもう大欅を通過している。そんな光景をリアルタイムで見たのは初めてだった。4コーナーをまわって後続がなかなか映らないという圧倒的なリードを保つパンサラッサの独走。スタンドから徐々に動揺が消え黄色い声混じるコロナから戻ってきた歓声が響く。本来なら歓声も自粛すべきところだが直線に入っても勢いが止まらないパンサラッサ前にして冷静であれというのは無理な話だろう。2番手に上がってきたジャックドールが400mの標識を過ぎても先頭パンサラッサとは10馬身以上の差。そこからジリジリと差が詰まって残り200mの標識を通過、それでもパンサラッサはまだ5、6馬身のリード。外からイクイノックスが一気に伸びて最後の最後でパンサラッサを抜き1馬身差でゴール。上がり3ハロン32.7。2着パンサラッサのクビ差で迫った3着のダノンベルーガは32.8。4着ジャックドールは33.5。あらゆる脚質の火花散るレースだった。

このレースは単発で見ても衝撃だが見る人知る人なら分かるありとあらゆるパロディが詰まった傑作映画と言っていい気がする。そんな衝撃の相乗効果を生み出すのは重賞GⅠ、競馬の歴史という重みもあると競馬歴6年目の今なら分かる。歴代の名馬と名レースがフラッシュバックしオーバーラップした。

その代表がサイレンススズカなのは間違いない。個人的には311や911の映像以上に衝撃で、事前に注釈を入れてくれないと直視出来ない98年118回天皇賞(秋)。縦長の馬群に大欅を越えた大逃げ映像、通過タイムと重なった時は正直怖かった。が悲劇は歓喜に変わる。先日のサッカーW杯、ドイツ、スペインを破っての1位通過もこれに重なった。パンサラッサが見せた夢の続きとキタサンブラック産駒イクイノックス初のGⅠ制覇に『新時代』の幕開けを感じたのだった。

 

 

 

どうにも天皇賞(秋)というのはオレの中で何かを変える存在になりつつあるっぽい。思えばマンガ、アニメ銀魂繋がりで競馬を知ることになったジャスタウェイもまた2013年148回天皇賞(秋)。奇しくも『令和のツインターボ』というパンサラッサの異名に物申し『パンサラッサはパンサラッサだろ』というのが
『それ以上でもそれ以下でもない。
 ジャスタウェイジャスタウェイ以外の何物でもない』
に通ずるものがある。個人的には元ネタの爆弾を思わせる実況の《破壊力》に当時大爆笑だった。

その前年である2012年146回天皇賞(秋)は天覧競馬で、勝ったエイシンフラッシュに乗るデムーロ騎手が貴賓室の天皇皇后両陛下(現:上皇皇后両陛下)に向かい下馬し跪いてのヨーロッパ式最敬礼が印象的。ルール的には下馬するのはダメなんだけどお咎め無しで済み、どうしていいか分からず困惑していた結果だったとかあの後滅茶苦茶怒られたとかの後日談に笑う。レース展開的にはシルポートがパンサラッサと同じく大逃げだったが、上記のエピソードが全部持っていった感じだったり、ある意味当時の競馬知識の低さとか始まりを物語る指標になっていたりする。

そのまた前年である2011年144回天皇賞(秋)トーセンジョーダンの今でも破られていない1:56.1のレコード記録として薄らぼんやり。

それ以上に古い記録であるにもかかわらず強烈で印象なのは2008年138回天皇賞(秋)ウオッカダイワスカーレット牝馬激突。競馬番組や雑誌等の競馬特集で必ず1回は紹介されるし『大接戦ドゴーン』はネタにされるくらい有名。今回のパンサラッサ2着というのがダイワスカーレットが2着になったあの時以来の、逃げが連対という繋がりにも衝撃だった。

天皇賞、特に(秋)の歴史を振り返るきっかけになったのは2019年。生まれて初めて元号が変わり、時代は平成から令和へ。迎えた令和初の160回天皇賞(秋)で勝利した最初の推しアーモンドアイに感動するあまり、当時は買えなかった馬券の代わりにとJRAで配布されていた非売品のメモリアルブックをツテで入手するというハマりっぷりから始まる。↓コレ

f:id:Leisan:20230111014426j:image

その翌年162回天皇賞(秋)でアーモンドアイが皇帝シンボリルドルフGⅠ-7勝の壁を超える歴史的な衝撃が続く。コロナ禍かつアニメ、ゲームのウマ娘効果もあってか充実していく公式の歴代アーカイブ映像の数々を前にそれは沼とは見えず、自ら進んで喜んで浸かる温泉状態。もうどっぷり。

87年ニッポーテイオー天皇賞(秋)を逃げ切り勝ちした代表で、そこから00年テイエムオペラオーの勝利まで1番人気が勝てないことから言われていた『1番人気の呪い』というワード繋がり。(意味は異なるが)

翌年01年にも出走したテイエムオペラオーを破ったのはダート・芝の二刀流アグネスデジタルで、打って投げての二刀流で騒ぐ現代に繋がる。

ウマ娘アニメ版1期ではブロワイエと扱われてた99年凱旋門賞馬のモデルであるパンサラッサの母父モンジューがゲーム版にて公認されたタイミングがなんか繋がるし、そういえばニッポーテイオーの産駒がハルウララモンジューと同い年なんだよなー。イクイノックス母父はキングヘイローで、ダービーで騎乗していた福永祐一騎手はそうか引退かー、ジャスタウェイも福永騎手の騎乗だったなー、とかとかとかとか。

過去を振り返れば振り返っただけ勝手に繋がっていくリンク先。マンガとかアニメであの作者はあの映画が好きでオマージュシーンがあるとか、あのキャラの声優は別作品のあのキャラも担当しててとか、勝手に相関図広げてしまう変なノリ。ゲーム:ウマ娘が名馬の脳内ショートカットキーとして機能しつつある結果でもある。いよいよ競馬が趣味として本格化してきたと言っていいのかもしれない。本格化ってのも競馬用語らしい。

 

 

 

 

話を戻して166回天皇賞(秋)
公式のレース映像だけでは満足できなくなり個人投稿されてる動画も検索して可能な限り確認した。観客が戻ってきたからこそ上がってて興奮倍増

 

「いや速すぎでしょ」
「大逃げだ、大逃げだ」
「え、まだ落ちない?」と驚愕する声。😳

 

「いいぞーいいぞー」
「そのままwそのままw」
「逃げろ逃げろーw」という笑い声。😆

 

女性陣は「パンサラッサ頑張れ」
というキャーキャーした黄色い声。😍
その連れと思われる男性陣は「コレ届くんじゃねーの?」
と冷静を装いつつも期待を隠せない声。😏

 

後続を応援していた人は焦りを隠しきれず
「いま何処だ?」「いま何番手?」
という恐怖混じる怯えた声。😨

 

「差せ‼︎」「届け‼︎」と悲鳴😱とも怒号🤯とも言える興奮混じる歓声。🫣😫🤩

 

東京-府中競馬場の現地で観戦してた人は最高の思い出になっただろう。フツーに競馬場行くだけでも面白いのに『感染問題で色々と制限のある中』という条件が付加価値になってある意味吊り橋効果の類だ。

そんな動画の数々をいつもより度数高めのちょっと良いウイスキーハイボールにして飲んで、珍しくいい感じに酔い始めていたオレはレース後の本来存在しないエンドロール最後の一文『サイレンススズカに捧ぐ』を見て、テーマソング『"GIRLS' LEGEND U"』が重なって泣いた。🥲(泣き上戸)

これまでフィクションの演出的感動に冷めてたから混じりっ気なし純度100%の新鮮な感動にもうKnockout

 

レースそのものは
パンサラッサ先頭🙂
仕掛けるノースブリッジ😯
買ってた単勝馬券イクイノックスの位置🤔
1000m通過57.4😳
パンサラッサ大逃げ大欅の向こう🤯😨
(↑サイレンススズカと重なって見えたための恐怖)
4コーナー回って直線のパンサラッサ独走🥹🤣
イクイノックス末脚のゴール😆👍

 

 

1番人気とはいえこの単勝本命◎的中🎯は誇れる
6年目の浅い競馬歴からすれば当たらずとも馬券買ってたってだけで公開初日に映画行ってきたくらいのテンション。ガチャで本命SSR単発で当てた以上に脳汁出た。2022年1番の喜びと名レースだった

 

 

 

余談

2番3番と順位をつけるのは難しいけど165回天皇賞(春)宝塚記念が脳内ランクイン。G1で勝利こそしてないけどシルヴァーソニック、ソウルラッシュが良かった。語ろうと思えば無駄に語ってしまいそうになって収拾つかなくなりそうなので割愛。天皇賞(秋)だけで長く書き過ぎた…

 

裏本

 

2022年競馬成績としては
的中率:31%
回収率:70%
と😑な具合
最初の推しアーモンドアイが引退してしまったことからギアが何処かニュートラル状態の迷走、モチベ低迷期、ムラっ気の表れとも言える
その一方で5年ぶりの現地、中山競馬場オールカマー参戦
結果こそオケラで数字的には赤字を広げただけなんだが、こんなご時世だし飲みに行ったと思えば安い出費
その後の166回天皇賞(秋)も合わせて何か来た感
言語化しにくいが、『思い入れのあるレース』が『推しレース』に昇格した感じか?
2年、3年と見続け馬券を買うようになっていろいろと感覚が変わった結果だろう
気持ち的なリターンは大きい
1速にギアチェンジした感じがする
(勢いあまってウィリーするのはお約束)

反省点としては、変なところで変な買い方して勿体無いことしたところだが…大きく反省って感じではない
ガチャ課金したけどSR止まりだった、みたいな具合だろうか
確定ガチャ課金しかしたことないから、それはそれで悔しがる人は居そうな気もするが、何かしらのレアが出ればマシだろうと思ってしまうタイプ
それはオレがガチャ課金と馬券を同列に扱って馬券を取った、っていう基準での価値観、感覚からの解釈なのだが

いろいろと素因数分解していくとオレの馬券の買い方ってピックアップガチャ感覚が1番近い
「このSSR欲しい」感覚で「この馬G1勝ってほしい」の馬券
オッズに合わせた単勝ワイド馬連3連複等の買い方は日々研究なんだけど、推しを推したいこのキモチ🥰
強くなればなるほどオッズが安くなってしまってあーでもないこーでもないと悩まされる
何故かそれが楽しい
ジグソーパズルとか知恵の輪に近い好奇心
馬券こそガミだったりハズレだけど別段後悔があったわけではなく次に繋がるレースで勝負だった
それこそダービーはイクイノックス単複だったわけで
カッコよく言えば「試合に負けたが勝負に勝った」的な?
自分に正直になって直感を大事にした
例えになるか分からんが
高級ビュッフェ、バイキング形式の店で普段はそんなに食べないサラダとかスープ攻めるのもアリだけど、限られた胃のスペースを有効活用すべく自分が好きなものを好きなだけバカみたいに取って見栄えとか無視して腹一杯になるのも良いよね、って感じだ
しかしそれはまだ高額的中、万馬券の味を知らないからこその発想とも言えるんだが、酒を飲み始めたばっかりのヤツにシングルモルトを教えるという愚行というか、要するにまだ早い。こういうのは段階を踏んでいかないとダメだ。バカやっている自覚はそれなりにあるが、初心者を卒業したと言ってもまだ初級。そんなヤツがいきなり上級者コース飛び込むのは無謀。飛び級と言えば聞こえはいいが、2つ3つのジムリーダー倒したからと言っていきなり四天王戦に挑むのはレベル100の先輩が3人4人バックにいてがくしゅうそうち持たせないと意味ない。何より、それが楽しくないなら意味がない。結局は試行錯誤しつつ味見をするのが楽しいんだから、失敗にハズレを重ねて経験値を稼ぐのみ。もちろん、破産しないこと大前提で、なのだが

 

2023年の競馬目標も変わらず『万馬券
ただ万馬券を当てるだけならオッズ3ケタのところをひたすら買い続ければいいだけの話になってしまうわけだが、検討を重ねて吟味して厳選して推しを信じて買うことが条件。3連複ならG1でもワンチャンありそうだが、なかなかのSSRなのは間違いない。なので今年は比較的推しやすいG2、G3を注視しての勝負に。
ってことで、年間競馬使用金額の上限を変更(馬券のみ。雑誌、新聞等は含めない)
趣味として本格化したんだからもうマンガ買う感覚で
これまではG1をメインに1レース上限1000円(繰り越し持越し可)で、10レース合計10000円投げたらそこそこの当たりで総額10000円は戻ってきて、それをもう1回投げて…の繰り返しで長く遊べてるからゲームとかマンガに比べると非常にコスパが良い不思議(使い方によるのは承知だが)
当たること前提で考えちゃダメなのは当然だが、全部ハズレること前提の上限金額を設定し直すのは良いだろう。現状ハズレても後悔しない買い方は維持できてるしな。変に飲み会行くより全然安いという、それはそれで悲しい話だが。自粛生活始まってから買い始めてるっていう…そういう感覚もデカいな。

 

つーわけで、今年も競馬頑張ります。

不定期更新の現状もどうにかしたいが、変に書こうとすると饒舌染みた長文になって我ながら読み返し推敲してドン引く。今回は抑えても6000字超え…

2000字1000字でまとめる能力欲しい