零霊散の備忘録

平成生まれの30代。最近は競馬ばっかり書いてることに気付いた。

22年目の告白、感想

※22年目の告白、ネタバレを多少含む

22年目の告白-私が殺人犯です- (講談社文庫)

では、本題

殺人犯による手記の出版についてどう考えるか
神戸の殺人事件の被疑者こと元少年が本を出版したということは記憶に新しい。サムの息子法などが必要ではないのかと議論されたこともある。犯罪者による本の出版は、被害者遺族に対する侮辱ではないかと言われる一方で、犯人でしか書けない心境、動機など、テレビやマスコミで報道される情報では分からないものが多く、ワイドショーなどで語られる勝手な推測よりも、当事者が書いたものの方がテレビを通す情報よりも、正確で多いのが現状。犯罪心理学者だったり元警察官などの情報が全部無駄であるとは思わないが、視点を変えてみる必要性は確かにあるし、本そのもの非難するべきではない

考えなければならないのは出版のあり方に宣伝
その本を、オススメ本みたく広告していいものなのだろうか

『22年目の告白』では、これまでの≪犯人による出版≫とは異なる点が1つ

著者こと犯人は時効が成立している
つまり、法で裁くことは出来ない

犯人を捕まえられなかった事件のネタバレ
それを本人が本に書いて説明する

本人にしか知りえない情報を語り、
報道規制されていた現実を晒し、
隠れることなく姿を現す。もはやショー

映画では犯人である曽根崎雅人を藤原竜也さんが演じる
自己主張の激しい悪役にピッタリだ

凶悪犯罪、未解決の連続殺人事件の犯人が手記を出版するだけでも話題になるのに、姿を現して、それがイケメンだということを知った世間は、まるで曽根崎をアイドルの様に扱い始める

秩序やモラルの崩壊…あるいは善悪の判断が麻痺してしまう

何が正しくて
何が悪いのか

そしてその手記は200万部を記録
犯罪者の書いた本が、小説家の書いた本より売れてしまった

狂ってるのは犯罪者か
それとも読者こと購入者か、世間か

サムの息子法も考えなければいけないけど、今作においては殺人事件の時効についても考える必要があるのかもしれない

物語はまだ終わりませんが、ネタバレになるのでこれ以上は控えます。続きは映画か書店で楽しんでください

僕は本を読みました
一気に読めました

この作品はジャンル的に『ミステリー』なので
最後まで気を抜かず注意深く読むことをオススメ
なんとか時間作って映画に行ければ…

最後は本当、スカッとした