零霊散の備忘録

平成生まれの30代。最近は競馬ばっかり書いてることに気付いた。

恋は雨上がりのように/映画感想

※メインは映画の感想、原作マンガにアニメの感想・ネタバレも含む

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詳しい話は知らないんだけど、この作品が炎上しているんだって?
恋愛成就してのハッピーエンドに慣れ過ぎて、期待しているのと違う終わり方をしたのが納得いかないことが原因だとか、そうでないとか。そういう僕は逆に、悲恋であって欲しかったのが恋愛成就して終わったのに納得できなかった派ですが…。某入れ替わってる~?の映画でね…

45のオッサンとJKのラブコメ
今月の頭で強制わいせつのアレがあったから、映画公開前にどういうタイミングで何しちゃってくれてんだよとか思ってたり…。でも、45とJKという年の差にはそういう偏見があって当然。原作を知らないでそれだけ聞けば、何マジになってるの?って意見が集中することだろう。オッサンに夢見させる作品とか言うな。僕もアラサーでオッサンの仲間入りだけどな

この作品をラブコメとカテゴライズしたが、僕は最初ギャグとして扱ってた
ファミレス店長:近藤の冴えないオッサンっぷりが爆笑でしかない。ファミレス(アニメじゃガ〇トで映画じゃロ〇ホ)ってところが入りやすいし店長なのにそう威厳があるわけでもない。くしゃみはデカい、ズボンのチャックは開いてる、十円ハゲはある。世間一般の想像しやすいオッサン像だ。アニメじゃ中の人はジャックスパロウだったりサンジと、まあ海賊している平田さんボイスで異議なし。映画ではくしゃみのデカさのみ強調してたが、それを演じるのが大泉洋さんってのがもうハマり役で、ここまでオッサンを演じられるひと他に居る?と思うレベル(誉めてます)

店長中心に見てると終始ギャグ

一方ヒロインJK:橘さんは真剣な恋愛モード。眼光鋭いクールビューティー
第一印象は某これくしょんの一航戦2人を足した感じ。このくらいの年だったらオッサンをキモイと毛嫌いして真っ先に恋愛対象外フォルダにぶち込むであろうに、そうじゃなかったパターン

 

映画は尺的なことも考慮して、とにかく凝縮。原作だと子持ちが判明して、バツイチだと判明してが長かったが、開始数分であっさり判明。パート従業員?の久保さんがまたいい味出している。アニメの中の人はメロンパンナちゃんしてるっていうんだから、おいマジかと動揺を隠せない。映画の方も良かった

店長『オレって臭いのかな』
久保『臭いです』

店長『あの年頃からしたらオレなんてゴミ同然か』
久保『ゴミ以下でしょ』

このやりとりで映画館内爆笑




笑いの一方でシリアスな面も
橘さんは陸上の記録保持者だがケガで部活を休み、ファミレスでアルバイト。ケガをきっかけに部活の親友とは疎遠。リハビリ、復帰は考えられず心の支えを失ったところに店長のやさしさに惹かれる。子持ちのオッサンに好意を持っていることを誤解交じりに親友に知られ、当然親友はドン引き。親友は親友でケガで部活に関われないことを知りながらも復帰してほしい気持ちがあったり、陸上や自分に心が離れてしまったことにショックを受け友情に亀裂。映画では陸上のために一緒の高校を選択したとか、兄弟含め過去のやりとりはカットされていたが、アニメでは登場しなかった陸上ライバルキャラの倉田みずきの登場で補完

競技に支障が出るほどのケガってのは、実生活で問題なくなったとしても表面的であって競技では別物、精神的なダメージも大きくなりやすい。リハビリすれば元通りになるとは言っても口で言うほど簡単じゃないし、こっちの気持ちも知らないで周りがあれこれうるさいなあという気分になってしまうものだ。僕も交通事故でやってしまっているから痛いほど分かる

そんな橘さんの真剣な好意にとまどう中年、店長。店長は年の差に世間体を気にしつつ、小説家になった親友となれなかった自分を比べ、自分に誇れるものが無い人生を憂う。キラキラした若さ満ち溢れる高校生からの好意が受け止めきれない。彼女の陸上に対する背中を押したい気持ちが逆に自分の背中を押され、疎遠だった親友と会って自分を見直すきっかけになる
大学時代に小説を書いて、同人誌を作って、そして今も書き続けているなんてのがグサッと刺さった。僕は純文学とは程遠いものしか書いてないが、諦めなのか執着なのか分からない微妙なところを歩き続けている現状もまた理解できる

橘さんが店長に好意を持っていることを知り、からかいながらもさり気なくフォローを入れるキッチン担当バイトの加瀬は嫌いじゃない。シリアスで重い空気の中、良い意味で空気読めてないモブ同級生バイト吉澤はナイスだと思う

店長の息子に関するリコーダーやらハムスターやらの演出は思いっきりカットされているが、息子は息子で登場するし、どことなく大泉洋さんに似せているのがツボ

原作やアニメと比較して順序バラバラでカットしている部分も多かったが、ストーリーの軸は崩さずに辻褄合わせがしっかりしていて好きな演出だった。デートの流れからいきなり図書館のシーンに行ったかと思えば、台風の中突撃訪問したりアドレスを聞いたりするのは最後に持って行って、『この感情に、名前をつけるのは』を文章にするという。九条ちひろ役戸次重幸さんと店長役大泉洋さんの絡みは反則級と言っていい。映画が初見な人がどう思うかは分からないが、原作が好きでアニメも好きだったのなら実写化大失敗ジンクスを気にしなくて大丈夫。冒頭に書いた炎上の件がどう響いているかは分からないけど

一番好きだったのはエンディング
歌もだけど、吉澤が授業中に描いたパラパラ漫画をアニメにするという
何という伏線…!!!!

マンガにアニメに実写映画の3点で刺さったのは久々…
パンフもなかなか良い…!!

寄生獣』が出てきたのはちょっとコメントできませんw

映画観てからの原作読み直しが超楽しい